週刊ほっとそうる新聞

株式会社ホットソウル代表の私的な新聞です。

20140119

昨年10月6日の記事で触れた、システムエンジニアの平均月給が、ほかの職種より比較的高いという件について、自分でも少し調べてみました。

10月6日の記事で引用した朝日新聞(9月29日朝刊)の切り抜きを見ると、「厚生労働省の2012年賃金構造基本統計調査から」とありましたので、まずはその調査結果を確認してみることにしました。


政府が行っている各種統計調査の結果は、e-Statというポータルサイトから閲覧することができます。
ご存知でしたか?

単純に、作成された資料を閲覧できるだけでなく、自分の調べたい条件を指定して表形式やグラフ形式で調査結果を表示する事ができるデータベース機能も提供されているんです。
使いこなせたら、なかなかなかなか面白そう。新規事業の事業計画などにも活かせそうですね。


残念ながら、職種別の統計は見つけることができなかったので、
それに近い形として、システムエンジニアの多そうな産業分類として「情報サービス業」を、福祉施設介護員の多そうな産業分類として「社会保険・社会福祉・介護事業」を選んで、産業分類別の統計を見てみる事にしました。
また、比較をしやすくするために、年齢層を30代に絞って見てみました。
その結果をまとめたのが、以下の表です。

hikakuhyou.jpg
※クリックすると拡大します。

なお、幾つか注意点があります。

①調査時期について
2012年の賃金構造基本統計調査では、平成24年(2012年)6月1日から6月30日の状況について調査しているそうです。
ですので、もしかしたら6月はいつもより忙しかったとか、逆にいつもより暇だった、などということがあるかもしれません。

②労働時間合計の項目について
こちらは、私が追加した項目です。所定内実労働時間数と超過実労働時間数の足し算になっています。

③職種別の統計ではない
勤めている企業の産業分類別統計になりますので、「システムエンジニア」または「福祉施設介護員」以外の職種も含まれているはずです。例えば、「営業」とか「経理」とか。
なお、参考情報として、産業全体の統計も合わせて表示しています。


こうして見てみると、現金給与額に歴然とした差がありますね。正直びっくりしました!

産業全体の統計が、30代前半で29万7千円、30代後半で33万2千円。
それに対して情報サービス業だと、30代前半で35万1千円、30代後半で42万3千円。
一方、社会保険・社会福祉・介護事業は、30代前半で23万9千円、30代後半で24万9千円。

産業全体の統計と比較すると、情報サービス業が頭一つ高く、逆に社会保険・社会福祉・介護事業は頭一つ低い感じです。
また、社会保険・社会福祉・介護事業は、30代前半と後半で給与があまり変わっていません。これはつまり、なかなか昇給されにくい職場であることがうかがえます。
同じ年齢層で、社会保険・社会福祉・介護事業の勤続年数が短めなのは、中途採用の方が多いということなのでしょうか?もしかすると、待遇面などで職場を変える人が多い傾向があるのかもしれません。

強いて低賃金の理由をつけるならば、社会保険・社会福祉・介護事業は、労働時間がやや少なめ(10時間程度)であることと、勤続年数がやや少なめ(2年程度)であることでしょうか。

それにしても、ずいぶんな差ですよね。
なぜ、このような賃金構造になっているのか? 私なりに推測すると、

システムエンジニアの給与の主な源は、企業に対して情報システム(またはそれに付随するサービス)を販売した売上、になるかと思います。
お金をいっぱい持っている大企業になればなるほど、高額な情報システムを購入します。
逆に、個人経営の小さな会社(弊社のような)であれば、市販の安いパッケージ製品で済ませたり、そもそも情報システムに頼らず、すべて手作業で処理したりします。
つまり、情報システムというのは、お金持ちのお客さんが高く買ってくれる商品なのです。
ブランド品や高級レストランなども同じだと思うのですが、高額商品ほど売値に利益を含ませやすいはずです。

一方、福祉・介護のサービスは、お金持ちの為だけではありません。お金がない人もサービスを受けられなければ困ります。ですので、スーパーで販売されている食料品や日用品のように、そもそも価格を上げにくいという特性があると思います。その結果、働いている職員の給与にもひびいてしまっているのではないでしょうか。

ですので、やはり市場原理にまかせたままでは、このような状況は改善されないと思います。


誰でも年はとるし、病気や事故で要介護生活になる可能性はあります。
介護をしてくれる方がいなくなったら、みんなが困りますからね。
こういう事こそ、国や政府がしっかりと福祉・介護に従事する方の生活をサポートして、福祉・介護の仕事に就きたい!という人が増えるように工夫してもらいたいところです。

スポンサーサイト